トップページ > 転職する医師のための医師実態調査「医師が医局に属するメリット・デメリット」

当サイトは転職する際に改めて考える、「日本のお医者さんとはどういう環境にいるのか」という疑問に答えていきたいと思います。読者の皆さんのお役に立てば幸いです。

転職する医師のための医師実態調査

  • 「医師が医局に属するメリット・デメリット」

従来の医師は医局制度のもと、大学病院や大学と同じか近隣の都道府県にある関連病院との勤務を繰り返していくことでキャリア形成を行っていました。

医師は、「病院に就職」するというよりは、「医局に就職」するのであり、本社である大学と支店である関連病院を行き来することでキャリア形成を行うということになります。

医局の規模は、大企業と中小企業の一つの区別である従業員300人という分類からいうと、企業規模でいえば中小企業といってもよいでしょう。

したがって、意思決定も医局の長である教授のトップダウンで行われることが多いです。

また、代替わり(教授の定年や異動による交代)によって、本店の中枢(大学病院の教員)や支店長(関連病院の診療科部長)の人事が大きく動く、といったことも企業とさほど変わりはありません。

大きな企業との違いは、医局は一つの法人ではないということです。

つまり、人的なつながりは強くても、つながりに対する法的な保証は非常にうすいということになります。

こうした特徴は、人的なつながりによるメリットが小さくなると意外なところで影響が出てきます。

国立大学医学部の医局に属している30代のある医師は次のように話します。

「以前の国立病院の中には国立大学からの天下り先ととれるものも多かったです。大学病院から異動しても退職金が継続できるだけで存在価値がありました。しかし現在は、経営母体の異なる病院聞の異動が増えたためになかなか退職金が積み上がりません。あまり指摘されることはありませんが、環境悪化の一要素だと思います。」

大学によってかなりの違いがありますが、医局には、国公立大学、公立病院、私立病院といった異なる組織の職員が属しています。

そのため、たとえば、医局の人事にしたがって関連病院を渡り歩いたとしても、転勤ごとに組織が変われば、退職金の職歴加算といった伝統的な年功序列システムからのメリット(徐々に薄れてきたとはいえ)を享受することはできなくなります。

そのため、ただ長い間医局に属するということでのメリットはありません。

自分の医師としてのキャリアの目標が、医学部教授や関連病院の部長職であった場合は、医局に属してキャリア形成を行う方がよいですが、開業を目標とする場合は、医局に属するメリットは少なくなります。

また、関連病院にしても、条件のよい病院の診療部長ポストが少ない医局では医局に属するメリットは少ないです。

<続く>

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<2018年10月>
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