トップページ > 転職する医師のための医師実態調査「医局制度の変化」

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転職する医師のための医師実態調査

  • 「医局制度の変化」

医局制度が医師配置に及ぼしてきた影響は、2004年度から導入義務化された新臨床研修制度以前は、長きにわたってその傾向が続きました。

新臨床研修制度によって、医師のキャリア形成は、変化しました。現在医学生は、最終学年までに病院の見学や実習などをし、希望先の応募・選考を経て、就職先である研修病院を決めます。

その研修は、ある一定の診療科のみを研修するのではなく、幅広い科を研修するものです。

大学病院を選択することも可能ですが、卒業前に将来希望する診療科が決まっていたとしても、その科のみを研修することはできません。

また、大学病院以外の臨床研修病院を選ぶことができるようになったため、最初から大学病院以外でのキャリア形成の道がひろがりました。

2006年に研修医に対して行われたアンケート調査によると、大学病院での研修医の方が、市中の臨床研修病院での研修に比べて、研修システムや診療スキルの教育に関する満足度が有意に低いことが報告されています。

こうした結果、新臨床研修制度導入直前の2003年では全体の73%を占めていた大学病院での研修医採用が、2004年には56%と激減しました。その後も漸減し、2010年の大学病院での研修医採用は、全体の47%であり、半分を切っています。

新しい制度のもとでは、卒業直前の学生を大学病院での研修開始と同時に医局の構成員とする、といった青田刈りはできなくなってしまいました。

その結果、若年の医局構成員の数が減り、大学病院や、関連病院の中でも条件の悪い病院(自前で臨床研修病院となることができない場合も多い)での勤務医数が減ってしまうという現象が起きました。

ただ、これまでの長い歴史の上では、新臨床研修制度の導入による医師分布の変化は、まだ10年にも満たない現象です。

卒業後10年以内で開業することは少ないので、特に開業医の都道府県別分布や、診療の中核を担う病院スタッフの分布は以前の医局人事の影響を受けていることが多いです。

そこで、次節からは、大学医学部の設立時期と医師の地域分布の関連を見ていきます。

<続く>

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<2018年10月>
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