トップページ > 転職する医師のための医師実態調査「20世紀前半に病院が拡大した」

当サイトは転職する際に改めて考える、「日本のお医者さんとはどういう環境にいるのか」という疑問に答えていきたいと思います。読者の皆さんのお役に立てば幸いです。

転職する医師のための医師実態調査

  • 「20世紀前半に病院が拡大した」

19世紀後半から、衛生的な病棟への改善運動、看護婦の専門化、麻酔法や消毒法の開発を伴う急速な医学の進展があり、20世紀初頭までには、治療を行う場所が患者の自宅から病院へと移行した、といいます。

それまでの自宅治療から病院こそが医療の中核的施設となったのです。

そして、こうした医療の場の変化は日本だけではなく、イギリスやアメリカでも同様に同じ時期に進みました。

しかし、日本がイギリスやアメリカと異なる点がありました。それは圧倒的に病院ストックが貧弱であったことです。1911年の時点でイングランドとウェールズにおける病床数は16万5,548床とされますが、日本は1913年時点で3万5,880床しかありませんでした。

当時の人口が日本はイギリスの約二倍なので、人口あたりにすれば日本の病床はイギリスの九分の一となります。

当時、これほどまでに貧弱な病院ストックを充足するのに活躍したのが、日本の開業医でした。

イギリスやアメリカでは、慈善団体による病院が多数を占めますが、日本では公立および慈善団体による病院は、主要な貢献はしませんでした。その代わりに、開業医の所有による私立病院が、一般病院の九割、一般病床の約7〜8割を占めるにいたりました。

20世紀前半の病院医療の拡大する時期に、日本ではなぜ、これほどまでに開業医による貢献が大きかったのでしょうか。それはすでに述べたように、日本の医師のキャリア形成が、比較的長い期間病院勤務を経験し、専門化した医師の技術と能力を生かすための要請であったというのが理由の一つです。

しかしながら、それ以外に二つの要因を挙げています。

一つ目は、日本では当時まだ救済法の伝統がなかったことです。

二つ目は、病院の経営が、儲かる商売であったということです。これは、イギリスの篤志病院やアメリカの非営利病院が儲からないように運営されていることで多くの寄付を呼び込むのとは対照的でした。

<続く>

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<2018年10月>
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