トップページ > 転職する医師のための医師実態調査「イギリスの医師の役割分担」

当サイトは転職する際に改めて考える、「日本のお医者さんとはどういう環境にいるのか」という疑問に答えていきたいと思います。読者の皆さんのお役に立てば幸いです。

転職する医師のための医師実態調査

  • 「イギリスの医師の役割分担」

日本の医師何人かにインタビューをしていて、印象に残ったのは、他国と日本の医師の位置づけの違いをあまり知らないという点でした。

「日本の医師の医療技術水準は、たとえば開業医の場合どの程度と考えますか」と聞くと、「ピンキりですよ。ほとんど専門的知識に欠ける開業医もいます。」といくつか具体的な例を挙げてもらえます。

しかし、これは海外の「一般医」とよばれる医師と比べた場合、当てはまっていないのです。

つまり、日本の医師は、開業医であれ勤務医であれ、医学部卒後数年の研修期聞を除けば、きわめて専門的知識を備えた海外では「専門医」とよばれる高度な医療技術水準を持ち合わせている専門家集団といえます。

このことを理解してもらうために、医師の役割分担についてイギリスとアメリカの医師の例を紹介します。

・イギリスの医師の役割分担

イギリスでは、人々が病気にかかったときに、はじめに診てもらう医師は、救急のときを除いて「一般医」とよばれる医師です。

「一般医」は、地域住民にとって医療への唯一の窓口です。

もし、専門的治療が必要と「一般医」が判断したときに、はじめて患者は病院の専門診療科の「専門医」のもとへと送られることになります(こうした「一般医」の役目は、「ゲートキーパー」制とよばれます)。

イギリスにおいては、同じ医師でも「一般医」と「専門医」との聞に、明確な役割分担が存在します。

こうした医師の役割分担は多少のバリエーションがあるものの、ヨーロッパ諸国のいくつかの国、フランスやドイツでも見受けられます。

イギリスの「一般医」は、病院医療における専門分化した知識や技術を持ち合わせていないため、病院の設備や病床を利用することはありません。

つまり、イギリスの医師には「一般医」と「専門医」という明確な役割分担が存在し、それに応じて病院の設備・病床は閉鎖的なものとなっているのです。

歴史的には、「一般医」と「専門医」の出身階級などに基づいた身分差による区別でした。

しかし現在では、消化器、循環器、脳外科といった臓器別の専門的なトレーニングを受けているかどうかが、「一般医」と「専門医」の違いです。

臓器別の専門科トレーニングの代わりに「一般医」は、住民の普段の健康管理を行うプライマリーケアを担うためのトレーニングを受けます。

患者から見れば、地域の診療所には「一般医」、病院には「専門医」というように、どのような医師がどこにいるかがはっきりしています。

「一般医」と「専門医」は、行う診療の面でも、働く場所の面でも役割分担がはっきりしています。

<続く>

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